畳の外し方を完全解説!専用道具不要で失敗しない順番と戻し方のコツ
大掃除や湿気対策、模様替えやDIYでの畳の張り替えを検討する際、「敷き詰められた畳をどうやって持ち上げればいいのか」と手が止まってしまうケースは少なくありません。一見すると隙間なくピッタリとはめ込まれており、力任せに引っ張ろうとすると畳表(い草)や縁(へり)を傷めてしまうリスクがあります。
職人が使う専用の道具がなくても、実は家庭にある身近な道具と正しいテコの原理を使えば、女性やDIY初心者でも簡単かつ安全に外すことができます。本稿では、畳を傷つけずに外す順番から、二度と元の位置に戻らなくなるトラブルを防ぐプロの裏ワザ、外した後の床下掃除やカビ・湿気対策までを網羅して解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:専用工具(手鉤)がなくても、布を巻いたマイナスドライバーや千枚通しなどの身近な道具で簡単に持ち上げ可能。
- 要点2:畳は1部屋ごとにミリ単位で形が異なるため、外す前に裏面や側面に番号と位置を記録することが絶対条件。
- 要点3:外した後は床下のホコリ除去と調湿ケアを行い、畳干しは変色を防ぐため「裏面を表」にして風通しの良い場所で行う。
【準備編】畳を外す道具と代用品|マイナスドライバーや鍵針の活用法
畳職人は「手鉤(てかぎ)」と呼ばれる先端が尖った鍵針状の専門工具を使って畳を引き上げますが、一般家庭にある道具で十分に代用できます。無理に爪を立てたり素手で引っ張ろうとすると、指を痛めるだけでなく畳の縁を裂いてしまう原因になります。
代用品として最も扱いやすいのがマイナスドライバーです。ドライバーの金属部分が直接畳や敷居に当たると凹みや傷の原因になるため、先端にマスキングテープや薄い布を巻いて保護するのが鉄則です。その他、千枚通しや硬めのヘラ、あるいはガムテープの粘着力を利用して引き上げる方法も有効です。
| 使用する道具 | 特徴と作業難易度 | 傷リスクと注意点 | 編集部の推奨度 |
|---|---|---|---|
| マイナスドライバー(大) | テコの原理を効かせやすく、最も確実(難易度:低) | 金属先端が縁に触れると破れるため養生必須 | ★★★★★(最もおすすめ) |
| 千枚通し・キリ | 縁の縫い目に刺して引き上げる(難易度:中) | 畳表に穴を開けるリスクがあるため力加減に注意 | ★★★☆☆(慎重な作業が必要) |
| 手鉤・鍵針(専用工具) | プロ仕様で瞬時に持ち上がる(難易度:極小) | ホームセンターや通販で千円前後で購入が必要 | ★★★★☆(頻繁に外すなら最適) |
| 布ガムテープ | 畳表に輪を作って貼り持ち上げる(難易度:高) | 古い畳だと表面の毛羽立ちや剥がれが起きる | ★★☆☆☆(隙間が全くない時の補助) |

【実践手順】最初の一枚が肝心!畳を傷つけず安全に外す順番とコツ
畳を外す作業で最も重要な関門は「最初の一枚(1枚目)をどこから、どう外すか」です。敷き詰められた和室には、構造上最も隙間ができやすいポイントと、ガッチリ噛み合って動かないポイントが存在します。
基本となる畳の外し方の順番は、部屋の中央付近や出入り口など、最も隙間が見つかりやすい「畳の角がT字に合わさる交差点」からスタートします。部屋の隅にある畳は壁2面に接しているため摩擦が強く、1枚目としては外れにくいため避けるのが賢明です。
【ステップ1:最初の一枚の持ち上げ方】
畳と畳の継ぎ目、または敷居との隙間に、布を巻いたマイナスドライバーを約45度の角度で静かに差し込みます。深さは3〜5センチ程度差し込み、下に向かってゆっくりと柄を倒すことでテコの原理を働かせます。畳の角が2〜3センチ持ち上がったら、すかさず空いた手や厚手の本などを差し込んで隙間をキープします。
【ステップ2:手を入れて引き上げる】
できた隙間に両手の指を滑り込ませ、畳の底面(床板側)をしっかりと掴んで真上に持ち上げます。このとき、畳の縁布だけを引っ張ると縫い目がほつれる原因になるため、必ず「畳床(芯材)」本体を抱えるように持ち上げるのが畳の外し方のコツです。
【ステップ3:2枚目以降の外し方】
1枚目さえ取り外せば、隣り合う畳には大きな空間が生まれます。2枚目以降は工具を使う必要がなく、空いたスペース側から畳の側面を手で掴み、斜め上へ引き抜くだけでスムーズに取り外すことができます。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|位置と番号の記録を怠ると戻らない
DIYや大掃除で畳を外した人の多くが直面する最大の落とし穴が、「元通りに敷き直そうとしたら、隙間が空いたりサイズが合わずにハマらなくなった」というトラブルです。
ネット上の情報では「同じ部屋の畳ならどこに戻しても同じ」と誤解されがちですが、これは完全な間違いです。日本の木造住宅は一見きれいな長方形に見えても、柱の傾きや乾燥収縮によって各辺で数ミリ〜1センチ程度の狂いがあります。畳職人はその部屋の微妙な歪みに合わせて、1枚ごとに異なる寸法でオーダーメイド製作しています。
そのため、畳の配置場所や向きが1枚でも入れ替わると、敷居と干渉して浮き上がったり、逆に不自然な隙間が生じてしまいます。外す前に必ず以下の対策を徹底してください。
- 見取り図の作成:紙やスマートフォンに部屋の見取り図を描き、北側を基準に「北1」「北2」「南1」といった記号を振る。
- 畳本体へのナンバリング:畳を持ち上げた際、側面の畳床部分や裏面に、マスキングテープやチョークで「位置番号」と「頭(部屋の奥を向く方向)」を明記する。
畳の戻し方でつまずかないためには、「外した順番のちょうど逆順(最後に外した畳から最初に戻す)」で元の位置・向き通りに敷き直していくことが唯一の解決策です。

【湿気・カビ対策】畳の下の掃除方法と正しい天日干しの手順
畳を取り外した絶好の機会に必ず行いたいのが、普段は手入れができない「畳の下(荒床・床板)」のメンテナンスと、畳本体の湿気抜きです。近年の高気密住宅では畳の下に湿気が滞留しやすく、ダニやカビの温床になりやすいため入念なケアが求められます。
【畳の下の正しい掃除手順】
床板には長年蓄積した細かい砂埃やダニの死骸が溜まっています。まずは掃除機を丁寧にかけてゴミを吸い取ります。水拭きは床板に水分を残してカビの原因になるため厳禁です。汚れが気になる場合は、無水エタノールまたは濃度70〜80%の消毒用エタノールを吹き付けた固く絞ったクロスで拭き上げ、扇風機やサーキュレーターで完全に乾燥させてください。
【畳の干し方と天日干しの注意点】
畳を屋外で干す際、「畳表(緑色のい草面)を直射日光に当ててはいけない」という点に注意してください。い草に強い紫外線を当てると、急速な日焼けや変色、繊維の劣化を招きます。
- 干す向き:必ず「裏面(底面)」を太陽に向けて立てかけ、直射日光で床側の湿気を蒸発させる。
- 干す時間と環境:湿度の低い晴天の日(10時〜14時頃の約4時間)を選び、地面からの湿気を防ぐためコンクリートやスノコの上に設置する。
- 室内干しの場合:屋外へ運び出すのが困難な場合は、畳の片側の下に空き缶や木切れを挟んで床から10センチほど浮かせ、部屋の窓を開けてエアコンの除湿や扇風機の風を床下に送り込むだけでも十分な除湿効果が得られます。
DIY張り替えは可能か?プロに任せるべきかの判断基準
畳を外した流れで「自分で畳の張り替えを行いたい」と考える方も増えています。畳の手入れには「裏返し」「表替え」「新調」の3段階がありますが、DIYで対応できる範囲には限界があります。
畳表を裏返して再利用する「裏返し」や、新しいい草に張り替える「表替え」は、専用の大型針や強力なテンションをかける機械がないと、たるみやシワが発生して美しく仕上がりません。市販のゴザをタッカー(大型ホッチキス)で留める簡易的な補修であればDIYも可能ですが、耐久性や歩行感はプロの施工に大きく劣ります。
【プロの結論】自分で外して手入れできる人・業者に頼むべき人の明確な境界線
畳のメンテナンスにおいて、自己対応と専門業者への依頼を見極める明確な基準は以下の通りです。
- 自分で対応すべきケース(DIY推奨):
- 大掃除や模様替えに伴う床下の清掃・ホコリ除去
- 梅雨明けや秋口の定期的な湿気・カビ対策(室内干し・裏面天日干し)
- 床下に防虫シートや調湿木炭マットを敷き込む作業
- 畳店・専門業者に依頼すべきケース(DIY非推奨):
- 畳の上を歩くとフカフカと沈み込むような感触があり、芯材(畳床)が腐食・劣化している場合
- 畳表のささくれが酷く、本格的な「表替え」や「新調」が必要な場合(1畳あたり目安:表替え5,000〜12,000円、新調12,000〜25,000円前後)
- 昔ながらの本藁(わら)畳で1枚あたり30kg前後の重量があり、腰を痛めるリスクが高い場合

【畳の外し方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:畳1枚の重さはどれくらいですか?1人でも持ち上げられますか?
A1:畳の芯材(畳床)の種類によって大きく異なります。最近の住宅で主流の「建材畳(インシュレーションボードや発泡スチロール芯)」であれば約10〜15kg程度のため、成人であれば1人でも無理なく持ち上げられます。ただし、築年数の経った日本家屋で使われている伝統的な「本藁(わら)畳」は約25〜30kg以上の重量があるため、無理をせず必ず大人2名以上で作業してください。
Q2:賃貸物件の畳を勝手に外して干したり掃除しても問題ありませんか?
A2:定期的な換気や干し作業、床下の清掃自体は「善管注意義務(入居者が適切に管理する義務)」の範囲内であり全く問題ありません。むしろ湿気によるカビを放置して退去時に高額な原状回復費用を請求されるリスクを防ぐことができます。ただし、ドライバー等で敷居や畳の縁を傷つけてしまうと過失修繕の対象になるため、道具の養生は万全に行ってください。
Q3:元に戻そうとしたら畳が浮いてハマりません。どうすればいいですか?
A3:まずは「位置(場所)」と「向き」が合っているかを再確認してください。それでも浮く場合は、無理に真上から踏みつけるのではなく、一度畳を斜めに立て、敷居側の角をピッタリと差し込んでから、手前側を体重をかけて滑り込ませるように押し込むのがコツです。それでも入らない場合、隣の畳の配置順が狂っている可能性が高いため、周囲の畳を一度緩めてから同時に収めてください。
まとめ:正しい手順と記録で失敗なく畳をメンテナンス
畳の外し方は、正しい順番とテコの原理さえ把握していれば、専門工具を持たない一般家庭でもマイナスドライバー1本で安全に行うことができます。
作業時の成否を分ける最大のポイントは、「最初の1枚を慎重に持ち上げること」、そして「外す前の配置番号と向きの記録を絶対に怠らないこと」の2点に集約されます。定期的に畳を持ち上げて床下の風通しを確保し、適切な湿気対策を行うことで、和室の快適性と畳の寿命は何年もの差となって表れます。大掃除や季節の変わり目には、ぜひ本手順に沿って安全なメンテナンスを実施してみてください。 (出典: 畳 外し 方(Yahoo!ニュース))